※レポではない
※ましてや劇評ではない
※感想文と言うのもためらわれるなにか



---円盤待ちでネタバレぜったいしたくないって人は回避してね!---



『アンナ・カレーニナ』千秋楽ライブビューイング、最高でごぜえました…!!
都内で観たんですが二部屋使ってた、すごいな~~

ありがたいことに公演中バウホールでも観劇することができたんですが、もうね、すごかった。

美。超美。美の極致。

帰ってこれは一刻も早くおえかきレポ書かねば!とか思ってさっそくクリスタを開いたものの
完全に山奥の陶芸家モード入ってしまって
ガシャーン!違う…こんなものではない!ワシが作りたいものは…!
ワシの贔屓は…!!もっと美しいんじゃ!!ガシャーン!!

割って割って割り疲れて呑んで、なう。


いや~~本当にいい公演だったな~~素晴らしかったな~~と牛のごとく何度も反芻しています。
こんな素晴らしい舞台に出会えるの何年かに一回だろうなあ~。

ブログをちょっと遡るとわかる通り私は主にBADDY(ショー)で現月組及び美弥るりか様の沼に叩き落とされ、「こんな新しいショー観たことない!!」と毎日すみれ色のおくすりをキメたような状態でスイーハッスイーハッ叫んでいたわけなんですが、今回はすみれ色のおくすりっていうかすみれ色の毒でした。めっちゃ美味しい毒でした。愛って毒なんだな。

BADDYが宝塚革命部門一位なら、アンカレは宝塚王道部門一位。(私の中で)
耽美とか、麗しいとか、台詞の美しさ、私が宝塚に求める全てが…ここに…ガンダーラ!!!


「アンナ・カレーニナって悲恋なんだよね~?ロシアのロミオとジュリエット的なことでござるかな~」というフワッとした(フワッとしすぎ)(演目知った時点で話知らなかったのでヤッター!先を知らずに観れるぞ!と思って…)知識だけで挑んだらもうえらい目に遭いました。

悲劇とか悲恋とかそういう一言で語れる内容では…とてもなく…!!

身も蓋もない感じであらすじを説明すると
『若きエリート青年貴族と美貌の人妻が出会って恋に落ちて家庭を捨てて
海外逃亡したり戻ったりするも八方塞がりになってヒロインが病んで自殺する』
なんだけど、アンナ・カレーニナがこういう↑話かって言われると「違う!それは違う!」って言いたくなるような…圧倒的な語彙力のなさで説明できないんだけど!この説明できない部分にこの舞台の凄いところが詰まってるんだと!思いました!

正直ヴィロンスキーとアンナのやること「オイオイオーイ!」って突っ込んでしかるべきことばっかりなんだけどあの三時間は一回も思わなかった…だって愛だからしょうがない…抗えない運命だから…って普通に納得してた…結末も状況だけ見たら完全に悲劇のはずなんだけど不思議と後味が悪くないというかまさにセルプホフスコイくん(なんて共演者泣かせな名前)の
「あいつはなにか、とてつもないものを手に入れたんじゃないかな、俺たちには想像もつかない、つかもうとしても見いだすことすらできない光…」(うろ覚え)
↑これに!「同意しかない~~!!百回いいね押す~~!!」となる不思議!!
(ドリィの「カレーニンも、アンナも、ヴィロンスキーも、皆素晴らしい人なのに…」も百回いいねした)

このあらすじだけ見ると身も蓋もない話をそう思わせてくれるのは

演出脚本お衣装の完璧さそしてもちろん出演者の力…!!

美弥るりかヴィロンスキー・海乃美月アンナ・月城かなとカレーニンの
そこにいるだけで何も語らずとも舞台が完成するような佇まいは完璧という他なかった

お衣装も完璧だった 神は細部に宿るとはこのことかと思った

ごめんこのへんついったでも流したので前の記事とだだかぶりするけど!

美弥るりか様のヴィロンスキーは、
髪の毛いっぽん、指先ひとつまで「美しい」としか言いようがなく

まばたきから星屑がこぼれ 舞台を満たす甘いため息
「麗人」ってこういう時に使うんだと…

ヴィロンスキーの最初の登場からもう息を呑むような美しさだったのだけど
「ダンスが始まります!」でスポットを浴びて再登場した時にはもう
山奥の小さな寺を50年守り続けた和尚が初めて夢枕に仏に立たれたぐらいの衝撃だった
「ほっ仏じゃ~~~~!!仏さまじゃ~~~~~!!」って拝んでた
まじで後光さしてた
いやピンスポとかじゃなくてまじで
スターって発光するの?研16ともなると自力で光放てるの?

「あっ…」って小さな声が出て以降基本的に最後までその体勢でずっとハンカチで口押さえてた
こんなものを見せていただいて本当に…どうしたらいいのか…

そして出演者の完璧なビジュアルから放たれる歌声と美しい言葉たち…
海野アンナの歌とかもうもう圧巻で

舞台のセリフってゆったら全部うそっこなわけじゃないですか(芝居だから)
でも嘘の言葉を言っている人は一人もいなかったんですよね

全員があの小さなバウホールの舞台の上に生きていたんですよね

ヴィロンスキーの踏み出す足の一歩に、
アンナのまつげの震えに、
カレーニンの伸ばされた手に、

それぞれの愛が満ちていて…なんていうか…それが劇場全体を包み込み…宇宙…?
(語彙力の死)

そしてまたこの舞台はただのストプレでもミュージカルでもなく
『宝塚の舞台』としての素晴らしさが極まっていて…!!

繊細で耽美で宝塚だからこそ描ける世界
宝塚にしかできない舞台
も~~~~~こういうの!!求めて!!!ました~~~~~!!!!
こういうの探して!この山に来ました~~~~~!!!
植田景子先生ありがとうございます!!!!!!


美弥るりか様海乃美月様を初めとして今のこのメンバーでないと出来なかったであろう
この舞台をリアルタイムで生で観劇できたことに感謝しかない
間違いなく私の観劇人生の宝物殿堂入り


BADDYは公演が終わってしまう時に
「嫌だ~~!!終わらないでくれ~~~!!永遠に手拍子を叩かせてくれ~~!!」
って思ったんですが
この公演はこの短い期間で終わってしまうことも含めて美しいような気すらしてきました
なんだろう…もう全てが…完璧…





は~~~っヴィロンスキー様の涙一粒一千万!